November 30, 2005

手術のあと

術後の左眼で初めて見た患者識別用のタグ

今回の入院では、手術よりも術後の方が肉体的にきつかったです。この状況も、記憶が残っているうちに、詳しく書いておきたいと思います。

手術が終わったあと、すぐに先生から顔を下向きにしておくように指示されました。理由は、眼に充填したガスが、縫った切り口から漏れるのを防ぐためです。これから3日間は、起きているときも、歯を磨くときも、トイレにいくときも、寝るときも、とにかく『うつぶせ』で過ごさないといけませんでした。

先生から「ガスが漏れたら再手術」と言われていたため、もう必死で下向き生活を続けました。おかげで網膜は綺麗に定着しましたが、副作用として眼がかなり充血してしまいました。

しかし、数日経って眼帯を外したとき、以前はゆがんで見えていた左眼の視界が、うっすらですが綺麗に見えていたのには感動しました。術後の左眼で初めて見た映像は、写真の右手に巻かれた患者識別用のタグです。かなり近づけないと見えませんが、バーコードの細い線も、まったく歪みなく見えています。このときばかりは、治ってくれれば、どんな苦労もチャラになるといった心境でした。

入院生活は意外にも忙しく、朝から目薬・点滴・血圧・検温・診察・食事など、スケジュールがびっしり詰まっています。といっても、患者は寝ているだけで、働いているのは看護婦さんや病院の先生方ですが。(^^;

食事の方は、眼の手術ということで特に制限は無く、初日から美味しいご飯を頂くことができました。ただ、うつ伏せで寝ているせいか、胃が圧迫されてそれほど食欲は出ませんでした。

入院中は、テレビを見たり本を読んだりすることはできませんでしたが、4000曲ほど保存したiPodが、退屈な入院生活を慰めてくれました。それと、お見舞いにきてくれた家族や友人知人とのおしゃべりで、寂しい入院生活から癒されることができました。

また、病院にはいろんな患者さんが入院されていて、思いもよならい経験もしました。特に夜は、病人にとって不安になる時間帯なのか、とつぜん荷物をまとめて帰ろうとするおじいちゃんがいたり、大声で独り言をしゃべりだす老人の方などがいました。

ある日の夜中、僕が寝ているベッドの足元に一人のおじいさんが座っていました。「ここはおじいちゃんの部屋じゃないよ。自分の部屋に戻らんね」と諭したところ、こんどは僕のバッグの上に座り込んでしまいました。すぐに看護婦さんが部屋に来て、そのおじいさんを連れて行きましたが、その後も別の部屋を徘徊していました。次の日に聞いた話では、そのおじいさんと同室の患者さんが、その夜に亡くなっていたそうです。

僕が受けた手術も結構大変でしたが、世の中には僕よりもはるかに重い症状の患者さんがいることを思い知らされました。なかには、不治の病で入院していている小さな子供もいて、僕なんかまだまだ甘いですね。

とにかく今回の入院は、いろんな意味で貴重な人生経験になりました。

今日のBGM:Kenny G. - The Greatest Holiday Classics

Posted by h_tanaka at 10:55 PM | Comments (2)

November 29, 2005

手術の内容

せっかくなので、まだ記憶が残っているうちにメモとして書いておきたいと思います。

21日は、14時15分から手術が始まりました。まずは6階の病棟で、手術の2時間前から点滴を打ちながら、5分おきに瞳孔を開くための目薬をされたり、1時間前には精神安定剤を飲まされたりしました。

いよいよ手術の時間になり、点滴をしたまま車椅子に乗せられて3階のオペ室へ。自動ドアの入口を入ったところでスリッパを履き替えて、頭に無菌室でかぶる帽子を被ります。その後、奥の手術台の部屋へ移動すると、そこではなぜか小野リサのCDがBGMとして流れていました。(笑)

とうとう手術台に乗せられて、緑色のシーツがかぶせられました。手術台といっても、『白い巨塔』に出てくるようなフラットベッドではなく、歯医者さんと同じリクライニングシートのような感じです。このときの心境は、薬を飲んでいるせいか、俎上の鯉のように、もうどうにでもなれ!といった感じでした。(笑)

ここで、手術をする左眼には、半透明のシールのようなものを2枚ほど貼られ、まぶたを強制的に開くための器具が取り付けられました。さらに、左腕には血圧を測るバリバリが巻かれ、5分間隔でふくらんでいました。

その後、麻酔の注射器が見えましたが、針は刺されずに、目薬のようにタラタラとかけられて、次第に顔の左半分の感覚が無くなってきました。そうこうするうちに、目頭の辺りに麻酔の注射を打たれたようですが、痛みはまったくありませんでした。

まずは白内障の手術が始まり、瞳に超音波のメスが入りました。このメスで、水晶体がどんどん破壊されて綺麗になったあと、人工のレンズを入れられました。この手術はだいたい30分程度で終わったようです。

続けて、硝子体をすべて取り出す手術です。硝子体は、若いうちはゼリー状の固形物だそうですが、年取ってくると次第に液体になってくるんだそうです。この手術では、白眼の部分に3本のパイプを突き刺して、液体化した硝子体をどんどん吸い出していました。

ここで、ちょっとしたハプニングが発生しました。硝子体の膜のようなものが、眼の内側にくっついてなかなか離れず、そこから次第に出血してきたようです。そこで、すぐに止血するための薬が眼の中に注入され、とりあえずは軽い出血で収まったようです。

その後、タラバガニの手のような形をした小さなマジックハンドが、眼の中でちょこまかと動いて、なかなか離れない膜をチョキチョキと切っている様子が見えました。この作業によって、硝子体の手術は2時間ほどかかりました。執刀した先生も、さぞお疲れだったことと思います。(^^;

ひととおりの作業が終わり、眼に開けた穴を塞ぐために6針ほど縫われました。最後に眼球の中にガスが充填され、ガス漏れが無いかどうかの確認として眼球を圧迫されたのですが、これはかなり痛かったです。ただ、今回の手術で痛みを感じたのは、全体を通してこのときだけでした。

なにはともあれ、手術は無事に成功し、あとは左眼の回復を見守るばかりです。先生の話だと、これだけの手術をした場合、完全に回復するまでに最低半年はかかるそうです。このまま放っておけば失明するところを、視力が回復できるようになっただけでもありがたいことです。

少なくとも、今月(今年)は無理をせず、仕事は最小限におさえ、左目のリハビリに専念しようと思います。

今日のBGM:平原綾香 - From To

Posted by h_tanaka at 11:54 PM | Comments (2)

November 28, 2005

退院の日

病室の窓から見た風景

本日、無事に退院することができました。

入院期間は、ちょうど1週間でした。精密検査の結果、網膜の穴は綺麗に塞がり、炎症や薬の副作用も無く、手術は大成功でした。今日はとりあえず、1週間も入れなかったお風呂に入ってすっきりしました。(笑)

写真は病室の窓から見える風景です。遠くにヤフードームが見えます。この風景を毎日見ながら、退院できる日を心待ちにしていました。

手術の内容については、また後ほど書きたいと思います。とりあえず、主治医の先生方や沢山の看護婦さん、それとお見舞いに来てくれたみなさんには、心から感謝しています。m(__)m

今日のBGM:Diana Krall - Christmas Songs

Posted by h_tanaka at 09:30 PM | Comments (3)

November 20, 2005

いよいよ明日は…

いよいよ明日は手術を受けてきます。

入院の準備もすべて整いました。しばらく入浴できないので、今日は温泉に入ってゆっくりしてきました。

退院したら、またここで経過を報告します。それではみなさん、しばらくの間、病院で頑張ってきます!

今日のBGM:Kenny G - The Greatest Holiday Classics

Posted by h_tanaka at 11:49 PM | Comments (0)

November 15, 2005

無事終了

今日のレーザー手術は無事に終わりました。網膜の周辺を定着するため、左眼に100発以上打たれました。麻酔が切れたせいか、目の奥が痛いです。

でもこれで、21日からの切開手術の準備ができました。あとは手術を受けて、完全治癒を目指すのみです。今回の件で、沢山の友人知人から暖かいお言葉を頂いて、本当に感謝しています。みなさんも、くれぐれも体に無理をしないように、気をつけてください。

それでは、取り急ぎご報告まで…

今日のBGM:オムニバス - What’s Cover?

Posted by h_tanaka at 08:59 PM | Comments (1)

November 11, 2005

嬉しいことと悲しいこと

和風パンチェッタ

今週は、嬉しいことと悲しいことが、一気にやってきた一週間でした。まずは嬉しいことから。

今日のお昼休みに、今年の前期に城南区の某大学で担当していたシスアド講座の受講生から、「先生、シスアド合格してたよ!」という喜びのお電話を頂きました。

その生徒さんは、以前「私達が合格したら先生の眼も治ると思う。頑張るから!」」と言ってくれた女子生徒さんです。有言実行を貫き通した、その気力に感服しました。

で、悲しいこととは、その眼のことです。

今週の火曜日に福岡記念病院で精密検査を受けたところ、網膜に穴が開いていることがわかりました。いわゆる『網膜剥離』状態です。このため、とうとう左目を手術することになりました。しかも、2回も。

1回目は、今月の15日の午後にレーザーで網膜を定着させます。この日は日帰りで帰宅できるそうな。その後、2回目は今月の21日に、左眼を切開して硝子体を摘出し、代わりにガスを充填します。その圧力で、網膜をくっつけようという作戦です。

このとき、ついでに水晶体を人口のものと交換します。この手術によって、左目の視力が裸眼で1.0に回復するそうです。この手術では、1週間ほど入院します。

目に違和感を覚えたのは2ヶ月くらい前のことですが、仕事を優先して治療を先延ばししていました。今思えば、あのとき大きな病院で精密検査を受けておけば、もっと軽い治療で済んだのかもしれませんね。

写真のパスタは、8日に手術の宣告を受けたあと、途方に暮れて天神を歩いていたときに、ふと思い出して立ち寄ったお店で食べたものです。

お店の名前は、岩田屋新館7Fにある『はーべすと』で、頂いたのは『和風パンチェッタのパスタ』です。パンチェッタとは、イタリアの燻製をしていない生ベーコンのことです。お味の方は、香味野菜が沢山入ったスープパスタといった感じで、すごく美味しかったです。

最後に、人間は病気を避けることはできませんが、早期発見によって簡単に治る場合があります。みなさんも、体に違和感を覚えたら、すぐに大きな病院で検査されることをお勧めします。

今日のBGM:野猿 - Fish Fight!

Posted by h_tanaka at 11:53 PM | Comments (6)

November 07, 2005

イルミネーション

大丸エルガーラ・パサージュ広場のイルミネーション

今日は月曜日だというのに、朝から生徒さんに超美味しいプリンを頂いて、ウキウキ気分で一週間がスタートしました。(^^)

仕事帰りに天神を歩いていたところ、早いもので、もうクリスマスツリーが飾られていました。光モノ大好きな僕としては、毎年この時期になると、すごく幸せな気分になります。

写真は大丸エルガーラ・パサージュ広場に飾られたイルミネーションです。遠くから見るとすごくゴージャスですが、近くで見ると、なんとペットボトルで出来ていました。素材とはかけ離れた美しさに、しばらく見とれてしまいました。

そういえば、いつか書こうと思って忘れていたことがあって、今日思い出したので書きます。先月から通っている専門学校でのお話です。

初日の自己紹介で「この学校に来て楽しいことなんか一つも無かった」と落ち込んでいた学生がいたので、「楽しくなかったのは君のせいじゃない。そんなに自分を責めるなよ。これから沢山良いことがあるから」と慰めたところ、僕の授業に他の友達を誘ってまで出席してくれるようになりました。ありがたいことです。

せっかく来てくれた学生の期待を裏切らないように、しっかり頑張りたいと思います。

今日のBGM:Herbie Hancock - Maiden Voyage

Posted by h_tanaka at 11:55 PM | Comments (4)

November 03, 2005

休日(その2)

ざうおのラーメン

いつのまにか、近所に『ざうお』のラーメン屋が出来ていたので、早速行ってみました。

福岡に住んでいるのに、ラーメン屋さんに行くのは本当に久しぶりです。最後に行ったのが山笠の頃だったので、かれこれ4ヶ月ぶりでしょうか。家でもほとんど食べないので、すごく楽しみです。

で、早速お店に入り、普通のとんこつラーメンを固麺で頼みました。お味の方は、スープは辛すぎず、麺はサクサクで本当に美味でした。チャーシューも大きめで、なかなかウレシイですね。

これで値段は390円と、格安でした。ラーメン以外にも、居酒屋風のメニューが沢山あったので、こんどは料理の方も食べてみたいと思います。

今日のBGM:EGO-WRAPPIN’ - 満ち汐のロマンス

Posted by h_tanaka at 07:42 PM

休日(その1)

スエード風のクッション

今日は祭日なので、昼間の授業も夜の専門学校もお休みです。昔は休みだと昼頃まで寝ていたのですが、最近は何故か早くから目が覚めてしまいます。年取ったせいでしょうか。(^^;

せっかくなので、朝から近所の愛宕神社へ散歩に出たところ、七五三のお子様達でにぎわっていました。その後、カミさんから入り口の茶店で焼餅を買ってもらって頂きました。ちょうど、大宰府の梅ヶ枝餅みたいな感じですが、こっちは漉し餡で少し塩味があって、なかなか美味しかったです。

その後、帰り道にマリノアシティに寄ったところ、『DOUBLEDAY FACTORY OUTLET」』という雑貨屋さんで良い感じのクッションを発見し、思わず衝動買いしてしまいました。このクッション、表面はスエードのような感触で、触っているだけで癒されそうです。(^^)

今日のBGM:Towa Tei - Sound Museum

Posted by h_tanaka at 07:19 PM